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‘04年5月例会山行報告 大峰山系・不動七重滝 実施日:5月22日(土)〜23日(日) テント泊山行に意気込む。水越トンネル前の「青崩」集結8:56。露営装備一式、七輪、食料を阿形OBのワゴン車に積み替え、阿形OBの取引先のX氏の工場駐車場に1台駐車。ワゴン車に乗り込み話題は早速「日本酒、ワイン、焼酎」に終始する。持参してきた酒の少なさに落ち着かなくなり酒屋を探し始める。青木OBは「急ぐことはおまへん。酒屋は幾ら山奥に入っても集落には必ず1軒や2軒はあるもんでんがな〜。それが日本国でんがな〜」と確信に満ちている。そうは云われても・・・もしもなかったらと憂う。走行中前方に「酒屋」の看板を幸運にも探し当て急ブレーキ。既に持参しているワインに加え日本酒とワインを買い足す。是で安心、阿形OBのハンドル捌きはあざやかになる。更に途中の「ぼうず茶屋」で水槽より生きたアマゴを3匹すくい購入する。食料と装備一式の重量を考えると我々が担げる範疇を遥かに超える。前鬼「小仲坊」に電話を入れ“くるま”で直接「小仲坊」へ入る了解を取り付けゲートの開錠をお願いする。夫々無口になるが考えることは今夜の酒宴であることは想像に難くない。 2時間のドライブ後、不動七重滝下降口の駐車場(着)11:05。弱い雨が降るなか弁当のみを持ち河床へ下る。清流の底から白い石が青みを帯び輝く。“いにしえ”より幾多の修験者が通ったことであろう苔むした古道をたどる。ややスケールは小ぶりではあるが渓谷をおおう新緑の美しさと青く澄み切った流れは梓川のそれに勝るとも劣らない。吊橋を渡り、暫らくカジカの涼やかな独唱を耳にしながら見事なナメ滝の先より鉄製の足場を登る。高い湿度のさなか、さらに巨木にこもる動かぬ大気に汗が噴き流れる。梅雨入りはまじかであろうか? 水量を増し轟きながら落ちる水しぶきを汗した顔に受け「不動七重滝の滝見台」に至り涼風にひたる。見上げると、丁度左岸の岩場を登る3人の登攀者の姿を見つける。ラストの女性?は滝の落ち口より10mほどの垂壁で30分ほど悪戦苦闘。のんびりクライミング・ショウを見物しながら昼食。時折、滝のしぶきに巻かれる。真下に5ケの美しい滝つぼを見下ろす。 14:56、前鬼ゲートのチエーンをはずし雨が降る前鬼「小仲坊」(着)15:12。早速、五鬼助義之住職に挨拶。縁側に座り暫らく雨の止むのを窺がいテント設営。 先ずワインを冷たい導水口に横たえる。濡れた爪木を付近より集め点火、七輪の備長炭を扇ぐ。立ち昇る白煙は谷間の広場に漂う。準備万端は整い幸せに包まれ先ず前菜はしゃれてアマゴを焼く。ワインで乾杯!アマゴの味とワインはマッチし「美味〜イ!」。更にワインをもう一本!アマゴの骨は別に取り置き、メインディッシュは鶴橋で購入してきた特上シモふりの肉を金網へ・・・“ジュァ〜と脂が沁みだし、それが七輪の備長炭の火に落ち、香煙が辺りに漂う”「ウマ〜ム〜ニヤ!!」。 この匂いが小仲坊本堂までただよったか?住職もアユのナレ寿司を差しだし酒宴に加わる。住職は酒が大好きだと云いながら腰を据える。日本酒の口を抜く。アマゴの骨は再び網の上でこんがりと焦げコッフェルに移し日本酒をドボドボと注ぐ。そよ風に再び馥郁とした香がただよう。しかし、住職はタイミング悪く(良く?)奥さんに拉致される。 やがて夜もふけ備長炭の火勢も次第に衰え、仕上げのうどんを食べテントへ・・・厚く柔らかな芝生の上の“しとね”は快適そのもの。 翌朝、5:55起床。近々世界遺産に登録される釈迦岳への稜線にはガスが低く漂い、全身には濃度の高い悪性のアセトアルデヒトが残留し一向に晴れない。 住職の「是非、またいらっしゃい!」との声に見送られ重い頭を垂れ消沈しながら温泉郷へ。驟雨来る・・・ (記:鮎川) |