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チュルー最東峰(6,038m)の登頂

9月11日、久し振りに単独でネパール入り。現地でシェルパを3人雇い、コックと助手3人、そしてカトマンズ郊外で11人のポーターを集めて登山態勢を整えた。

カトマンズから中型のバスをハイヤーして西に約7時間、舗装道路の終点BesiShahar(標高760m)へ移動し、翌日からキャラバンを開始。

マナスル山群とアンナプルナ山群の間を流れるマルシャンデ・コーラを遡行し、アンナプルナ山群に出くわしたところから右にそれてChulu山群に向けてキャラバンを続け、8日目にやっと猛吹雪の中にベースキャンプを設営、その後、6日間高所順応を兼ねてデポテント(5,130m)、AC(5,370m)を設営し、9月28日Chulu最東峰(6,038m)に登頂した。

登頂ルートは急峻な氷と雪の入り混じった稜線上を登りましたが、シャルパたちが頑張って650mのフィックス・ロープを固定して安全を確保してくれた。

キャラバン開始の日から毎日雨が降り、特に高度の低い3日間はパパイヤやバナナが実り、稲作の田んぼの中を歩くので蒸し暑くて大変でしたが、久し振りにイナゴや蛭、沢蟹などにもお目にかかり、夜はホタルの乱舞を楽しむことができた。

AC入りした日と頂上アタックの日のみ連日の快晴に恵まれ、毎日アンナプルナの連峰を眺めながらの登攀は真に快適なものだった。

頂上は岩峰の上に氷がかぶさっているようで,あまりも尖っているので頂上には立つのをやめ、頂上に座り込んだと言ったほうが適切でしょう。また、目前に少し高みがあったが、垂直に切り取ったような氷の状態から大きな雪庇が発達し、剥がれ落ちたようでもあり、近づかなかった。

亜熱帯の地からリンゴや高原野菜畑、秋の麦刈りや蕎麦の取り入れに忙しい山間部、不毛の砂礫地帯、そして積雪に覆われた山肌と氷河の世界、「ヒマラヤ植生の垂直の旅」は、ヘリコプター45分でサマガオンまで入ったマナスルやラサまで飛行機で入ったシシャパンマやチョー・オユーとは一味違った経験だった。

また、カトマンズからカトマンズ帰着までの25日間、日本人には一人も会わない静かな旅でもあった。

ご参考:ネパール山岳協会は「トレッキング・ピーク」と称して6,500m以下の山に高額の入山料は取らずに、無料で登山許可を与えてくれます。このピークも「トレッキング・ピーク」に該当し、お蔭様で単独ながら多額の入山料負担も無く楽しむことができた山行だった。

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